プラグインは関係ない?ミックスに弊害を及ぼすアレンジ上の3つの原因とその解決策

DTM全般

Twitterを見てると思うのですが、皆さんミックスに使うプラグインの話大好きですよね。
DTMerと呼ばれる人たちの話題の半分はプラグインについてな気がします。

もちろんそこに興味を持つことはとても良いことだとは思いますが、作曲家、編曲家志望の方はミックスの前にアレンジ(編曲・打ち込み)をどうにかした方が高い効果が得られると思います。

というのも私は仕事で沢山のエンジニアさんにミックスしてもらってますが、基本的に劇的な変化はそこまで無いんですよね。
もちろん音は良くなるのですが、全ての音はあくまで自分が作ったパラデータの延長線上にある感じです。

楽器のレコーディングからしてもらう場合はかなり大きな変化がありますが、ミックスだけ頼む場合はそこまで大きな変化は無いです。

なのでやはり自分が作るアレンジパラデータが大事だなと常日頃痛感しています。

今回はそんな自分の経験談を元に、ミックスに弊害を及ぼしがちな3つの原因とその解決策をご紹介します。

原因その1  複数のパートで似たようなコードバッキングをしている

アマチュアバンドなどでやりがちなアレンジの一つに、ギターも鍵盤もコードバッキングをするというのがあります。

そこまで極端ではないにしろ、アレンジが苦手な人がやりがちなのが、ギターがアルペジオ、鍵盤がコードバッキング、ストリングスで白玉和音、というようなとりあえずコードを鳴らすだけのアレンジです。

こういう複数のパートでコードだけを演奏しているアレンジは、音が平面的になり曲全体の立体感が出ません。

複数のパートを使うことで音の厚みが出るような気もしますが、音同士がマスキングして逆に細くなったり変なところが強調されたりといった弊害も生まれやすいです。

また、アレンジ上の立体感は出ていないのに音の隙間はない状態なので、リバーブなどが効果的に響かず、ミックスも上手くいかないことが多いです。

それでもどうにかしなくてはいけない場合はEQで不要な帯域を削ったりすることになると思うのですが、それならアレンジの時点で直しておいた方が良いという話になります。

解決策 裏メロを作る

ではどうすれば良いのという話ですが、一番手っ取り早いのが裏メロを作ることです。

例えばギターと鍵盤がコード弾きをしているのなら、どちらか片方のパートで裏メロを弾いてみましょう。

曲全体として考えれば、どんな高級なプラグインを使うより立体感が出ると思います。

歌メロ>裏メロ>コードバッキング、というようにアレンジ上での聞かせる優先順位が出来るので、ミックスもしやすいですし、聴覚上の立体感につながります。

コードアルペジオと裏メロは混同しやすいのですが、裏メロのポイントとしては独立した旋律として聞こえることです。

歌メロの裏で鳴っている全く別のメロディ、これがあるだけで一気に曲に奥行きが出ます。

実際に自分の曲でやってみればすぐわかるぐらい、裏メロをつくるというのは効果的な手法なのでオススメです。

全パートコード弾いてたよ、というような人は是非試してみてください。

ひよ作
ひよ作

裏メロはちょっとしたものでも大丈夫です。凝りすぎて歌メロ以上に目立たないようにしましょう。

原因その2 似たような音色を重ねている

先ほどは演奏方法の話ですが、音色単体でも同じことが言えます。

音色は組み合わせ方が重要です。

例えばよく言われるのがキックとベースの関係ですね。

キック単体では太くて良い音だとしても、ベースを入れたらキックが聞こえてこなくなった、などそういう場合は多々あると思います。

逆に単体ではしょぼい音どうしても組み合わせたらガラッと雰囲気が変わることもあります。

これはキックとベースだけではなく、ハイハットやスネアの音色の選び方でも変わってきますし、他のパート全てにも当てはまります。

またシンセのレイヤー(重ねること)なども音色の組み合わせ方が大事になってきます。
太い音を重ねていけばより太い音になるわけでもなく、逆に細くなっていく場合も多いのが音色選びの難しいところです。

解決方法 性質の異なる音を重ねる

団子になってしまった、もしくはマスキング効果で細くなってしまった音を、EQや他プラグインを駆使してなんとかするというのは一つの手なのですが、それよりもパパッと出来て圧倒的に効果が高い方法があります。

それが音色自体を変えることです。

これ当たり前に思えますが、音色を変えるというのはエンジニアさんには出来ない作曲家・アレンジャーの特権なんですよね。

音色を変える、その一点だけで、エンジニアさんが駆使する専門的プラグインのいくつかが必要なくなると思います。

実際エンジニアさんもレコーディングから関わる場合は、マイキングに命かけて元の音に徹底的に拘りますからね。
元の音というのは重要なものなのです。

音色の選び方としては似たような音を重ねるのではなく、相互補完できるような音の組み合わせを選んであげることが大切です。

・アタック重視のキック+低音を支えるベース(またはその逆)
・リード系シンセ+プラック系シンセ

など、各音の個性を潰しあわないような音色選びをすることが上手くいくコツかと思います。
場合によっては、

歪みギター+歪んだオルガンというパートを

歪みギター+ピアノ、もしくはクリーンギターに歪んだオルガン

というように楽器ごと変えた方が上手くいく事もあるかもしれません。

ちなみに選び方としては、とりあえず片っ端からプリセットを試してみるのがおすすめです。

たまにプリセットは邪道と考えていて、一からの音作りに拘る人もいますが、もしその手法を好きでやってるわけではないのならプリセット使ってしまった方が良いです。
せめて近い音を見つけてからエディットするのが良いでしょう。

音色は組み合わせで印象が変わるので、プリセットを使ったから人とかぶるとか、オリジナリティが失われるということは全くありませんので、あまりこだわる必要はないかと思います。

端から聞いていってなんとなくハマりが良いものを選び、最終的にまとまらないようならまた選び直せば良いだけです。

ミックス系の本を読むと、EQであれこれ周波数帯を削って共存させる手法が書かれていますが、プリセットを変えるだけで一発OK的な場合も多々あります。
作曲家、アレンジャーにとっては手っ取り早く、また何倍も効果がる方法ですので是非実践してみてください。

ひよ作
ひよ作

意外な音色の組み合わせがハマったりするので、とりあえず試してみるのをおすすめします。

原因その3 音の高低のバランス

曲全体の音が高いところから低いところまでバランスよく配置されているかも非常に重要になります。

これは周波数的な意味、音符の高低の意味、どちらも大切です。

周波数的な意味というのは例えば上から、

  • パーカッション・金物
  • シンセ
  • ボーカル
  • コード楽器
  • ベース
  • キック

というように周波数特性を埋められるような楽器選びがしっかり出来ているかということです。

音符の高低の意味というのは、ボイシングなどの音の積み方ですね。

上記の並びでピアノはコード楽器としてボーカルの下にいますが、高い音域で演奏すれば当然ボーカルの上になります。
クローズボイシングか、オープンボイシングかでも埋める周波数帯域は変わってきます。

また、例えば右手四和音に左手四和音みたいなゴツいボイシングでピアノをガンガン演奏してしまえば、それだけで曲全体をぶち壊しかねません。
EQ以前の問題だというのは明確だと思います。

昔はEQなどありませんでしたから、和声の手法として低音は音を重ねすぎない方が良いなどそういったノウハウは沢山あります。
先人の知恵もしっかりと学んでいきましょう。

適切な楽器配置や各楽器のボイシング(音の積み重ね)をもう一度見直してみてはいかがでしょうか?

ひよ作
ひよ作

コード理論だけ勉強しているとボイシングのことは頭から抜けがちなので、和声法もかじってみると視野が広がりますよ。

アレンジに自信が持てたらボリュームとパンでバランスを取ってみよう

上記のような原因をクリアし、アレンジが適切に出来たと思ったら、まずはフェーダーとパンでバランスをとってみましょう。
本当に良いアレンジができてる場合は、それだけでもかなり良い感じになっているはずです。

ボーカルがどうしても前に出てこないというような悩みの場合、演奏が邪魔をしているかボリュームが小さすぎるかが大半の原因かと思います。
またパンを振るだけでも演奏が歌を邪魔するのを回避できることがあります。

フェーダーとパンはあって当たり前なので意識しない事もあるかと思いますが、ミックス手法の中でも最大の効果を発揮する機能だと思いますので、しっかりと意識して使いましょう。

フェーダーとパンである程度自分のイメージ通りに良い感じにできているのであれば、さらに良くするためにミックステクニックを磨くのはとても有意義だと思います。
エンジニアさんにお願いする場合も、より良いブラッシュアップをしてくれると思います。

ただもしフェーダーとパンだけでどうにも良い感じにならないというのであれば、アレンジと音色選びにもう一度戻った方が早く解決できると思います。
エンジニアさんに投げればある程度は良くしてくれるとは思いますが、プロサウンドへ劇的変化、というのはなかなか難しいかと思います。

ひよ作
ひよ作

コンプやEQにもボリューム機能ありますが、ボリュームのバランスはあくまでフェーダーで取るのが良いかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

何度も書きますがプロのエンジニアさんは確実にブラッシュアップはしてくれますが、曲が生まれ変わるような劇的な変化を期待するのは難しいです。

作曲家、アレンジャーを目指すのであれば、打ち込みやアレンジの部分に注力しましょう。

ちなみに私はコンペデモの時はほとんどミックス云々に時間を割きません
限られた時間の中で良いデモを作るには、アレンジと音色選びを慎重にした方が遥かに効果が高いからです。

フェーダーとパン、あとは最低限のコンプ・EQ・空間系で、コンペデモは乗り切れます。

とはいえ今回の記事は自分で書いててもちゃんと出来てるか不安な部分も多かったです。
トラック数が増えてくるとバランス取るのも難しいですよね。

頑張ってもどうにも上手く出来ない時もあります。
そんな時は諦めてプロのエンジニアさんに任せてしまいましょう笑

ひよ作
ひよ作

ちなみに今回の記事を書いたのは、先日ツイートしたこのやり取りにがきっかけでした。

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