ピッチ補正だけじゃない!? プロ直伝、ボーカルエディット5つのポイント

DTM全般
ひよ作
ひよ作

こんにちは、ひよ作です。
今日はボーカルエディットの話です。

一般的にも周知されているように、昨今のJPOPシーンではボーカルデータの修正、いわゆるボーカルエディットが行われることは当然になっています。
もちろん修正をしないアーティストもいますが、一発録りそのままというのは今ではかなり少数なのではないでしょうか。

今回はそんなボーカルエディットについて、プロの現場ではどんなことが行われているのか、基本的な流れをご紹介しようと思います。

プロの現場に関わるようになって私がとても感じたことは、地道な積み重ねが最終的なクオリティを大きく左右するということです。
ボーカルエディットも魔法ではありません。小さな改善の積み重ねで最終的にクオリティを上げていく作業になります。

今回の記事内容も、頑張れば誰でも実践できることばかりですので、インディーズで活動されている方や、歌ってみたなどの歌い手さんにもご参考頂ければと思います。

ひよ作
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今回の記事はあくまでひよ作が目にし、教わった内容です。
人によって細かい作業工程は違うと思いますし、極めれば相当奥が深い作業なので、この記事を参考にそれぞれの方法を追求していって頂ければと思います

ポイント1 まずはボーカルレコーディング

当たり前ですが、良いボーカルに仕上げるには、良いボーカルテイクを録音しなければいけません
ボーカルエディットは魔法ではないので、素材がどうしようもないとやれることも限界があります。

ボーカルエディットで直せる点、直せない点を意識しながらレコーディングしていきましょう。

良いマイクを使う

音質は後から良くすることが非常に難しいので最初の録り音はとても大切です。当然ですがなるべく良いマイクを使った方が良い音で録音できます。

ただアマチュアの場合はそこまで良いマイクを買わなくても良いと思います。
プロスタジオのマイクは数十万〜という感じですし、AD/DAコンバータやらマイクプリやら私もよく分からないものが沢山積んでありますがどれも信じられないほど高価なので、個人で揃えるのも限界があります。

そういう機材を使えばもちろん音が良いのですが、下手なボーカルが上手になるとかそういう魔法はありません。何十〜何百万円とする機材は、90点のボーカルを100点に近づけるような目的のもので、50点のボーカルを90点に引き上げてくれるようなものではありません。

なので、アマチュアの方であれば数万〜十数万円くらいのコンデンサーマイクを使えば、問題ないくらいのボーカルデータが録れると思います。
もしどうしても高い機材で録音したければレコーディングスタジオを使った方が結局は安上がりになるかと思います。

ただ最低でも数万のコンデンサーマイクは用意した方が良いです。
ライブハウスや練習スタジオでよく見るSHURE SM58のようなダイナミックマイクはレコーディングでは使わない方が良いかと思います。
ここはかなり録音できる音が変わりますので。

ピッチよりもテンションや歌の雰囲気を重視して録音しよう

ボーカルエディットにおいて絶対に直せないもの、それはテンションなどの歌の雰囲気全般です。

同じ人の声でも元気の良い声、沈んだ声、など同じ音程でも全く違う声が出ますよね?
ここら辺はボーカルエディットではどうにもなりません。

元気な曲なら元気に、切ない曲なら切なく、その曲にあったテンションや雰囲気でしっかり歌いましょう。
ピッチやリズム(タイミング)は後から直せますので、二の次で大丈夫です。
どれだけ歌に表情をつけられるか、そのことに注力しながらレコーディングしましょう。

ボーカルディレクションをする場合でも同様で、細かなピッチやリズムを指摘するのではなく、感情的な部分を考えながらレコーディングしていった方が良い歌が録音できるかと思います。

複数テイク録音しよう

複数テイクを録音しておくことはとても大切です。
少なくとも3テイクくらいは欲しいですね。
もちろん上手く歌えていない部分は上手く歌えたテイクが出るまで録音してください。

歌詞の横にテイク番号を書いて、どのテイクが良かったか○△×などで記録しながら録音するのがオススメです。
実際の現場でも必ずやります。

実際の現場でも歌詞カードが用意され、ディレクターが良いテイクをメモしながらレコーディングを進めます。

喉に余裕があるようなら、歌の表情がよく出ていて音程もリズムも取れているテイクが出るまで粘っても良いと思います。
ただやりすぎるとダレるので要注意です。

ひよ作
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ここで良いボーカルデータ素材を録っておくことが大事です。最終的な出来を大きく左右しますので頑張りましょう。

ポイント2 最良のボーカルテイクをつなぎ合わせる

無事レコーディングが終わったら、複数のボーカルテイクの中から最良の部分をつなぎ合わせる作業をします
まずはざっくりとある程度長い塊で切り貼りしていきましょう。その後、必要とあればもっと細かい単位、必要とあれば一音単位で差し替えていきます。

この後、タイミングやピッチを直していきますが、テイク選びの段階で出来る限り整えた方が後々うまくいくことが多いようです。
ツギハギしすぎて自然な流れを損うことがないように、バランスを取りながら丁寧に選んでいきましょう。

ちなみにここまではボーカルレコーディング時に、ディレクターやプロデューサーらと一緒に現場で作業することが多いです。
ここまで作業したProToolsのセッションデータをボーカルエディットの担当者に渡して作業してもらう感じですね。

ポイント3 タイミング(リズム)を直す

ここからがボーカルエディットと言われる作業かと思います。

まず最初に直すのが歌のタイミング(リズム)です。
まだここではメロダインなどのピッチ補正ソフトは使いません
DAW上の機能で波形を分割し、タイミングをしっかり整えていきましょう。

熟練の歌手であれば独特のリズム感があるのでどこまで直すかは難しい部分かと思いますが、単純にズレていると判断出来るものはしっかりジャストに合わせた方が良いと思います。

ポイントとしては波形の頂点をタイミングの頭に合わせることです。もちろん最終的には耳で判断することが大切です。

あくまで最後は耳でタイミングを取りましょう。


また波形のストレッチ機能(長さを伸ばしたり縮めたりする機能)は結構音が変わってしまうので使わない方が良いです。

もし音が長すぎる、短すぎるという時でも分割機能で切り出した波形をツギハギして整えていきます。
ポイントとしては出来る限り拡大して出てきた波形の山の周期をしっかり合わせることです。

波形の周期を崩さないように移動させれば自然に聞こえることが多いです。

波形の山を合わせていけば自然とつながります。逆にストレッチ機能はこの山を崩すことになるので、音が変わってしまうのだと思います。

ちなみにこの段階でも違和感を感じた音、直せそうにない音などはテイク選びに戻りましょう。
ただ現場で選択した歌の雰囲気を変えるような変更は危険です。
あくまで誰にも気づかれないくらいの部分的な差し替えに抑えた方が後々トラブルになることを避けられます。

ひよ作
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カットした部分の前後にフェードイン、フェードアウトを入れるとプチプチノイズを防げますよ。

ポイント4 ピッチ補正をする

タイミングをしっかり直せたらやっとピッチソフトの出番です。一番オーソドックスなソフトはメロダインになります。

ここまででタイミングはしっかり直っているはずなので、メロダイン上でタイミングを修正しないようにしましょう。
もしタイミングが気になる部分が出てきたなら、前段階に一度戻った方が無難です。

あくまでここではピッチ修正のみの作業にします。
使うツールはメインツール(上下ドラッグ)と分割ツールのみです。

ピッチツールは音が結構変わってしまいますので使わない方が良いです。(もちろん使うプロもいるかもしれませんが)
分割ツールで音を細かく分割していく分には問題ないことが多いので、メインツールと分割ツールで頑張りましょう。

単純に全ての音程を合わせれば良いというものではありません。そんなことをすれば機械的な歌になってしまいます。

歌というのはピッチを取っているポイントがあります
例えばしゃくるような歌い方の場合は、しゃくった後の音程が達するポイントを直すようにします。

適切な箇所で音程が当たっていれば、全てを直さなくてもちゃんと音程が取れて聞こえるものです。

不自然にならず、その人の歌い方のままでピッチが取れているようなラインを探していきましょう

ポイント5 ボーカルの音量を直す

どの程度修正出来たかによりますが、場合によってはここまで来てもまだまだプロっぽくないんだよなーという印象のデータかもしれません。

しかしそれはある程度仕方ないことで、実際の現場でも結構あります。
というのもこの後のミックス的な部分でまだまだ歌の印象は良くなっていくからです。

EQやコンプ、空間系エフェクトの使い方で印象は大きく変わってきます。
ここら辺はとても専門的な分野なので、ひよっ子作家の私が説明するのも難しいのですが、一点、地味だけどかなり歌の印象を左右するミックステクをご紹介しておきます。
それがボーカルの音量調整です。

よくコンプで音量を調整するという話を聞くかと思いますが、それはあくまでテクニックの一つであって、コンプを挿せばオールOKということでは全くありません。プロのエンジニアさんはフェーダーのオートメーションを一音単位で書き込んでいます

ボリュームのオートメーションを書くことは誰でも出来る簡単なことですが、アマチュアの人は逆にこういう作業をやってなかったりします。こういう地味な作業をやるかどうかで大きくクオリティの差が出ます。

大変な作業ではありますが、一度試してみてはいかがでしょうか?

まとめ

いかがでしたでしょうか?
もしかしたら意外と大したことはやってないんだなと思った方もいるかもしれませんね。

もちろん人によってはもっと色んな裏技を持っているのかもしれませんが、基本的な流れは大体こんなものだと思います。
しかしこういう基本的なことを如何に丁寧にしっかりやれるかが大事なことです。

音楽制作の作業全般に言えることですが、プロこそ当たり前のことをしっかりやっています。一つ一つの工程を丁寧にやっていけばきっと良いボーカルデータができると思いますので是非挑戦してみてください。

ちなみにオケの印象も大事で、良いアレンジのオケと合わせれば自然と歌は上手く聞こえてくるものです。

ボーカルエディットというのはタイミング修正〜ピッチ補正までを指す言葉だと思いますが、歌を良く聞かせるためには様々な工程が大切になってきます。
良い音楽は色んな要素のバランスで成り立っていることを忘れないようにしましょう。

ひよ作
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ちなみにコンペ用の仮歌はこんなにしっかり直しませんので悪しからず。

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