
前回記事の続きになります。
仮歌さんを決めて発注の段階になった時、実際にどうやりとりすれば良いのでしょうか。
基本的にはわからないことは仮歌さんに直接問い合わせれば良いと思いますが、一般的な流れもありますので、今回はそこらへんについて書いてみます。
また、コンペで採用されてアレンジ段階で仮歌を発注する場合についても軽く触れてみようと思います。
まずはスケジュールの確認。リテイクなどの対応についても。
仮歌さんが決まったらまずスケジュールについて相談しましょう。
リテイクの対応、ハモリやダブルの有無などの条件などもあらかじめ確認し、トラブルを未然に防具ことが大切です。
スケジュール
コンペの場合、仮歌のスケジュールもタイトになりがちです。
曲が出来ていない段階で仮歌さんのスケジュールを抑えることもあります。
こちらがデータを送れるタイミングと仮歌データを送り返してもらうタイミングをしっかりと確認しておきましょう。
希望的観測ではなく、現実的なスケジュールを立てることが肝心です。
仮歌が間に合わなければ提出が出来なくなる可能性もありますのでしっかりと確認しましょう。
リテイクの対応。ハモリやダブルの有無など。
ココナラの場合はリテイクや、ハモりなどの扱いに関しても、各仮歌さんが条件を記載している場合が多いですが、念の為確認しておいたほうが無難です。
オプション料金がつく場合もありますので、ご利用は計画的に。
リテイクに関して、歌詞や譜割が違うなど明らかなミスの場合は基本的に対応してもらえるとは思いますが、歌い方のニュアンスなどに関してのリテイクは仮歌さんによって変わってくるかもしれません。
オンラインだとあまり細かいディレクションが出来ないのは仕方がないので、ある程度割り切りつつ相談してみましょう。
仮歌さんへ送るデータを用意しよう
テキスト類(仮歌詞・案件詳細)
歌詞
まずは仮歌さんに送る情報テキストについてですが、必須なのが歌詞です。
コンペの場合はラララでもOKなことも多いですが、歌詞はなるべく書いたほうが良いでしょう。
最初のうちは若干恥ずかしさもありますが、すぐに慣れます。
まして仮歌さんは日々色んな歌詞の歌を歌っているので、特に何も感じません。
むしろラララだとメロディが覚えづらくて歌いづらいそうです。
仮歌詞は適当で良いのでぜひ書いて歌ってもらいましょう。
案件詳細
また案件詳細についても、伝えられる範囲で伝えておきましょう。
コンペの内容については情報漏洩にならないよう細心の注意を払いましょう。
アーティスト名は伏せ、歌い方の雰囲気を伝える程度に抑えておいたほうがよいかもしれません。
もちろん仮歌さんは仕事なので基本的には秘密厳守でやってくれますが、万が一ということもありますので。
データ補足情報
また、BPM(テンポ)や録音のデータ形式(wav形式、48kHz、24bitか32bit、あたりが無難です)などのデータに関しての補足情報も忘れずに伝えましょう。
オケ(インスト)データ
仮歌さんはDAWソフトを使って録音するので、Wav形式の2mixデータを送れば大丈夫です。
場合によってはステムデータの方が好ましい場合がありますので、前もって仮歌さんに確認しておいても良いかもしれません。
特に採用が決まってからのプリプロ、ボーカルRecの時はステムデータが必要になることが多いです。
※ステムデータとは、複数のトラックをある程度まとめたものです。(リズム・ベース・ギター・シンセなどのように)
ただ通常のコンペ用仮歌なら2mixを送っておけば大丈夫でしょう。
一つ要注意ですが、必ずプロジェクトの頭から書き出しましょう。
ここがずれていると、データを戻してもらった場合にピッタリ合わなくなります。
またオケデータは未完成のものでも大丈夫なことが多いです。
ある程度のレベルの仮歌さんなら、リズムとコードトラックが入っているだけでしっかり歌ってくれます。
もちろんしっかりしたアレンジデータを送った方が良い歌を歌ってくれるとは思いますが、そこはスケジュールと相談しましょう。

私は仮歌をもらってからアレンジする派なので、ドラム・ベース・ピアノくらいで送ってしまうことも多いです。
メロディデータ
シンセメロ(オーディオ)
オーディオ形式のシンセメロデータも必須になります。
音色に決まりはないですが、伸ばし具合がちゃんとわかるようにシンプルなリード系シンセなどがオススメです。
ピアノの音などはどうしても伸ばし具合がわかりづらいので注意が必要です。
ハモりがある場合はハモりパートのシンセメロも忘れずに送りましょう。
メインメロディとは分けるのが鉄則です。
メロディMIDIデータ
オーディオのシンセメロデータがあれば、MIDIは無くても大丈夫なことが多いですが、MIDIデータを送るのは一つ大きなメリットがあります。
それは拍子やテンポ情報をやり取りできることです。
最初から最後まで一定のテンポであればBPMの数値を連絡すれば良いだけですが、曲中で拍子やテンポが変わる曲を頼むときそれらの情報を書き込んだメロディMIDIデータを送りましょう。
本番のボーカルRecでも必須になるかと思います。
仮仮歌
仮仮歌も基本的には必須です。特に譜面がない場合には必ず入れるようにしましょう。
主にメロディに対してどう歌詞をはめて歌うかの指針になります。
また歌い方のニュアンスも伝えることができます。
下手でも良いので自分のニュアンスを伝えることが大事です。
ピッチに関してはシンセメロデータがあるので、ピッチ補正などはしなくても問題ないことが多いです。
また、自分が男性で女性仮歌を頼むときは、裏声かオクターブ下で歌えば大丈夫です。(男女逆の場合はオクターブ上にすれば良いかと)
本当にめちゃくちゃ下手でも大丈夫です。恥ずかしいとか思う必要は全くありませんので必ず入れるようにしましょう。
仮歌さんもプロなのでちゃんと意図を汲んでくれます。
オケデータと混ぜたりせず、仮仮歌単体のオーディオデータを送るのが良いと思います。そうすれば仮歌さんはDAW上で手軽にオンオフが出来ます。
ハモりのパートは仮仮歌が無くても大丈夫です。メインメロディの仮仮歌とハモりのシンセメロデータでなんとかしてくれる仮歌さんが多いかと思います。

オケ歌詞、シンセメロ、仮仮歌
メロディ譜面
仮歌さんによってはメロディ譜面が欲しいという人もいるかもしれません。
ただ、譜面に関しては必要のないことも多いです。譜面が読めない仮歌さんもいますしね。
譜面だけならまだしも、歌詞の当て込みとなるとそれなりに時間がかかるので、コンペ段階では作らない人の方が多いかと思います。
ちなみに採用後、歌詞が決定した場合は作詞者が作る場合もあります。
こちらが譜面を出し、それに歌詞を乗せてもらい、それを仮歌さんに投げる、というような流れですね。
ただそれも場合によりけりで、歌詞、シンセメロ、仮仮歌、の三点が揃っていれば、メロディ譜面は必要無いと思っていて大丈夫かと思います。
データをもらったら速やかに確認。お礼と入金を。
仮歌さんがデータを送ってきてくれたら、自分のDAW上に差し込んで確認しましょう。
細かいピッチやリズムのずれはリテイクをお願いするより自分で直した方が時間のロスも少ないかと思います。
どうしても直しきれない部分はリテイクをお願いしましょう。
仮歌さんが送ってくるデータはエフェクト類が何もかかっていないので思いの外さっぱり感じることも多いですが、コンプや空間系を施すことでかなり印象が変わるので、そういったものも適用しつつ判断するのがオススメです。
あまり細かいことを気にし出すとキリが無く、クレーマーにもなってしまうので要注意です。
問題が無ければお礼を伝えて終了です。
同じ仮歌さんに何度もお願いする場合も多いので、一言褒めておいたり、良い返事をしておくと良いです。
ちなみにココナラ の場合は支払いのトラブルは起きにくいかと思いますが、個人的にお願いする場合は振り込みを忘れたりしないようにしましょう。当然ですけどね。
まとめ
ココナラで宅録の仮歌さんが増えたことで、仮歌発注はとても簡単になりました。
プロの作曲家を目指す人はぜひこれを機に仮歌発注デビューをしてみてください。

好きな仮歌さんができるとそれだけ曲作りも楽しくなりますよ
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