名曲を生みやすい?定番のコード進行とそのアレンジ方法【カノン進行編】

名曲を生みやすい?定番のコード進行とそのアレンジ方法【カノン進行編】 作曲・音楽理論

ジャンルよって色々な作曲方法があるとは思いますが、歌ものポップスに関してはコード進行にメインメロディを乗せるという形の曲が大半を占めています。

コード進行は無限に作ることができますが、実際のポップスでは良く使われる進行というものが存在します。

今回は良く使われる定番のコード進行が存在する理由と、定番のコード進行の中でも有名なカノン進行について書いていこうと思います。

定番のコード進行をおすすめする3つの理由

なぜ定番のコード進行が存在するのか。色々な理由があるかと思いますが、私が感じる利点は以下です。

定番のコード進行は自由にメロディを乗せやすい。

まず定番のコード進行は良くも悪くも癖が少なく、自由にメロディをつけやすいです。

特徴的なコード進行を使う場合は、特徴的なコードを決定づける音を使用していく必要があるので、後からメロディを付ける場合は不自然なメロディになりがちです。

その点、定番のコード進行はダイアトニックコードを中心に作られているものが多いので、コード進行に引っ張られて強引にメロディをねじ曲げる必要が無く、自然に歌いやすいメロディが作りやすいと言えます。

リハモしやすい

定番のコード進行は理論的にも理にかなったものが多いので、コード進行をの一部を他のコードに差し替える(リハモする)のも簡単です。

複雑に感じるコード進行も実は定番のコード進行を少しずつ変更した結果、複雑になっている場合も多いです。

定番のコード進行で作曲を始め、メロディやフレーズの動きに合わせてコード進行の方を変えていく、という手法の方がいきなり変わったコード進行で作曲を始めるより説得力の高い曲になりやすいかと思います。

定番の展開はリスナーにとっても聴きやすい。ゆえにコンペも取りやすい。

コード進行には各コードそれぞれに緊張と緩和を演出する役割があります。

それは例えば物語のテンプレートのもので、主人公が困難に訪れ、立ち向かい、カタルシスを得るというような、ある意味誰もが求めているお約束を演出できる力があります。

このコードが来たら次はこういう展開がくる、と聞き手が予想できるというのは、作り手が思う以上に重要なものです。

ベタなものをつくりたくないというポリシーのもと変わったコード進行を使うというのはもちろん良いことだとは思いますが、そこに囚われてしまい何のカタルシスも得られない物語を演出してしまうのは本末転倒です。

ましてコンペやデモテープのように一度しか聴かれない場面ではある程度定番の動きで引き込むというのは非常に有効な手段になります。

定番のコード進行を使いつつ、ベタな曲にならないような作曲がひとつのコツのように思います。

注:ここからは全てCメジャーキーで説明していきます。

カノン進行とは

それでは定番コードの代表格とも言える「カノン進行」について解説していこうと思います。

|C  |G  |Am  |Em |
|F  |C  |F   |G  |

カノン進行という言葉が先行しすぎて、あまり良くない印象を持っている人も多いかもしれませんが、実際には非常に使えるコード進行です。

バラードからポップス、アニソンまで何でも使えます。

メロディも非常に作りやすく、同音連打のような平坦なメロディでもサマになりやすいですし、起伏のあるエモーショナルなメロディも乗せやすいです。
繰り返しのリフっぽいメロディももちろん乗せられます。

ヒラ歌でもサビでも使える最強コード進行の一角かと思います。

弱点としてはコード進行の一連の流れが長いので、ループ感が重要になってくるダンス曲とはちょっと相性が悪いかもしれません。

ガチのダンス系トラックを作り込んでいてもカノン進行だとどこかJPOPっぽさが出てしまう印象があります。
もちろんそういう曲が狙いの場合は弱点では無く強みになりますね。

また、やはり定番のコード進行なので、コード進行が聞き取れないような人もカノン進行だけはわかるという人もいるます。なのでベタ感は否めません。

要所要所でベタさを打ち消す演出が必要になってくるかと思います。

ちなみにどの進行でもそうですが一小節につき一つのコードにするのか、2拍ずつでコードチェンジしていくのかでかなり印象が変わります

|C G|Am Em|F C|F G|

特に元気系の曲は2拍チェンジのカノン進行は良く使われるのでおすすめです。

カノン進行の派生進行とリハモの方法

カノン進行はちょっとコードを変えた色んなパターンが存在します。

個人的にはC→G→Amまで使って、八小節(倍でコードチェンジした場合は4小節)の長さになっていれば、だいたいカノン進行、ぐらいのイメージで使ってます。(あくまで個人の見解です)

リハモ1 C→G→Am→G→F→C→Dm→G

|C   |G   |Am  |G   |
|F   |C   |Dm  |G   |

まず4個目のコードをEmからGに変えています。

Em7の構成音はミ・ソ・シ・レで、Gの構成音はソ・シ・レなので違和感はほぼ無いです。

ただギターがハイフレットのポジションで演奏する時には若干ラクかつ音のつながりがスムーズになるので変えてみました。

次に最後から二番目のFがDmに変更されています。

Fの構成音はファ・ラ・ド、Dmの構成音はレ・ファ・ラです。

こちらは先ほどのEmとGより若干雰囲気が変わりますが、FとDmはダイアトニックコードの中で最も代理しやすいコードかと思いますのでよく使われます。

またDm-G(Dm7-G7)というのはツーファイブという基本中の基本の進行なので、このパターンは非常によく使われるかと思います。

リハモ2 C→G/B→Am→Em/G→F→C/E→Dm→G

|C   |G/B  |Am  |Em/G  |
|F   |C/E  |Dm  |G   |

リハモというより、カノン進行といえばこちらの方を指すのかもしれません。
カノン進行+下降するベースラインは定番中の定番です。

下降するベースラインも元からコードに含まれる音なので、基本的なコード進行は変わっていませんが(最後から二番目のDmは先ほど説明したやつですね)、こうしてコードを転回形にして滑らかな流れを作るだけで、かなり雰囲気が変わります。

ある種ベースラインが対旋律のような役割をしているんですね。
ポップス界では本当にど真ん中ストレートな進行ですが、やはり美しいです。

切なくもあり情熱的でもある。
名曲製造コード進行と言えるでしょう。

コンファメーション進行とカノン進行への応用

ジャズのスタンダード曲、Confirmationという曲をご存知でしょうか?

ジャズ研などでは定番の曲ですが、この曲のコード進行がJ-POPにもよく使われております。(特によく使われるのは前半部分)

このコンファメ進行の前半部分とカノン進行の後半を繋げたものがこちらの進行になります。

|C   |Bm7-5 E7 |Am7  |Gm7 C7 |
|F   |C   |F   |G   |

個人的にはこのコードはカノン進行の亜種、派生形だと考えておりまして、カノン進行と同じくJPOPにおける名曲を生み出しやすいコード進行だと思っています。

カノン進行と違いGm7-C7という、ノンダイアトニックコードが使われていますが、ここがこの進行の美味しい部分ですね。
一時的にFメジャーキーに転調したような形になるので、ここだけシではなくシ♭を使うことになります。

実際にメロディを書いてみるとわかると思いますが、この音は非常に良い感じのアクセントになるので、一度試してみることをオススメします。

リハモ3 C→G→Am→Gm→F→C→Dm→G

またこの美味しいシ♭を使うために、カノン進行を以下のような形にすることも可能です。

|C   |G   |Am  |Gm  |
|F   |C   |F   |G   |

4つ目のコードがGからGmに変更されてます。(Gm-C7に分解しても良いです)

最初は違和感があるかもしれませんが、コンファメ進行に慣れた後に聞いてみると、カノン進行とコンファメ進行の良いとこ取りが出来る進行に感じるかと思います。

またAmとGmでマイナーコードが続くので、Gmの直前にA♭mを挟んだりすると、ちょっとアウトしつつもマイナーコードが続いてるので自然、のようなことも出来ますね。

リハモ4 C→G→Am→Gm→Fm→C→Dm→G

マイナー繋がりで考えると以下のような進行も考えられます。

|C   |G   |Am  |Gm  |
Fm  |C   |Dm  |G   |

4つ目のコードFをFmに変更してみました。

これはサブドミナントマイナーといって、Cメジャーキーの同主調であるCmからサブドミナントコードを借用してくることができます。

なので一時的にCmキーに転調したような雰囲気になるんですね。
簡単にちょっとしたアクセントをつけられるので定番の手法ですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回のように少しずつ細かいバリエーションを考えていくことで、ベタなカノン進行もちょっと変わった感じに使えるかも知れません。

カノン進行は使い倒されたにもほどがある、というほど使われていますが、やはりそれだけ使う価値がある進行だとも言えます。

何よりメロディが作りやすい進行なので、カノン進行でメロディを作りつつ、リハモも検討してベタな曲を抜け出していく、というアプローチが個人的にはオススメです。

カノン進行を愛する方々はもちろん、敬遠されていた方もぜひ使ってみてくださいね。

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