前回のカノン進行に続き、「王道進行」を中心に、良いメロディを生み出しやすいコード進行についてご紹介していこうと思います。
例によって記事内のコード進行は全てCメジャーキーでお考えください。
王道進行 F-G-Em-Am
|F |G |Em |Am |
王道進行、4536(ヨンゴーサンロク)進行などと言われますね。
JPOPでは一番使われてるコード進行かも知れません。
Aメロ・Bメロ・サビどこでも使えます。
バラードからポップス、カノン進行の弱点だったダンス系でも完璧にハマります。
そもそもそんなに特徴的な進行ではないので、使い勝手が抜群ですね。
リハモもしやすく、その派生進行も多いのでご紹介していきます。
リハモ1 Dm-G-Em-Am
|Dm |G |Em |Am |
最初のFをDmに変えたパターンです。
サビで使われるのは王道進行の方が多いと思いますが、このコード進行も部分的なつなぎとして至る所に配置できる万能進行かと思います。
個人的にはBメロあたりに非常に使いやすい印象です。
リハモ2 Dm7-G7-Em7-A7
以下のようなツーファイブが連続する形も多いですね。
ジャズなどでは当たり前の進行です。7thは無くても成り立ちますが、ツーファイブを多用する曲は7thまでしっかり弾く印象なので一応入れておきました。
|Dm7 |G7 |Em7 |A7 |
|Dm7 |G7 |Em7 |A7 |〜
次に来るコードがDmの場合、上記のようにAmがA7に変更されることは非常に多いです。
ただA7はノンダイアトニックコードになりますので、メロディで「ド」を使ってる場合はAmのままが良いので注意しましょう。
A7の三度「ド♯」とぶつかってしまいます。。
リハモ3 F-G/F-Em-Am
|F |G/F |Em |Am |
最初のコードのルート音Fを、コードがGに変わった後もそのまま保留するパターンです。この進行も良く使われます。
二番目のコードGは四和音にした場合G7となりますので、元から構成音にFが含まれています。ベースが7thの音を弾いているということですね。
なので上にどんなメロディが乗っていたとしても基本的には使えます。
Fの音が予想に反して停滞し、その後に半音下のEに移行するので、独特の浮遊感があり、コード進行だけでもかなり良い雰囲気が味わえる進行です。
リハモ4 F-G-C-Am
|F |G |C |Am |
3つめのコードEmをCに変更しただけの進行です。EmとCは代理コードの関係です。
なんてことない進行ですが、なんてことないからこそ使い勝手も非常に良いです。
リハモ5 F-G-C-C♯dim-Dm-G-C-C7
|F |G |C |C♯dim |
|Dm |G |C |C7 |
さらに発展させて上記のような進行も作れます。
4つめのC♯dimはCとDmを半音でつなぐコード(パッシングディミニッシュ)。最後のC7はまたFに戻るためのコードになります。
あまり原型を留めていませんが、王道進行の派生ではあると思います。
王道進行の利点であるシンプルなループ感は失われて、ドラマチックな方向に進化させた感じでしょうか。
似て非なる進行 F-C-G-Am
リハモ4の進行のCとGを入れ替えたコード進行です。
この進行はトニック、サブドミナント、ドミナントの役割を無視しているので、おそらく古典的な音楽理論からいうとNGな進行になります。
ただ、洋楽やダンス系の曲を中心に、昨今では非常に多く使われる進行です。
音楽理論的にNGっぽいことが逆にずっと繰り返していても飽きさせないスパイスになっていますね。
ロックで使うとちょっとリフっぽい雰囲気も出ます。
王道進行の力強いループ感が欲しいけどベタな王道進行は嫌だな、という時に使ってみると良いかも知れませんね。
まとめ
王道進行(4536進行)はシンプルな進行なので、そのまま使っても良いしリハモも簡単に出来ます。
カノン進行同様に王道進行でメロディを考え始めて、アイデアが膨らんできたらリハモして、みたいなことも簡単に出来ますので、作曲のとっかかりにはお勧めします。
Follow @hiyo_sakk
コメント