和声学を勉強しなくてもすぐ実践できる、ストリングスアレンジ方法(後編)

和声学を勉強しなくてもすぐ実践できる、ストリングスアレンジ方法(前編) 作曲・音楽理論

前編でご紹介した裏メロ主体のアレンジはサビなどで効果的ですが、ヒラ歌からうっすら入ってくるストリングスなどは和音ベースのアレンジにしたくなることもあると思います。

しかしストリングスは和音の重ね方(ボイシング)がピアノとは明確に異なので、馴染みのない方には少し工夫が必要です。

今回も和声学を勉強していなくてもすぐ実践出来る範囲でその手法をご紹介しようと思います。

4 way close voicing(フォーウェイ・クローズボイシング)について

4 way close voicing(以下4WCL)という言葉をご存知でしょうか?
ある音に対して密集型の4音で和声付けする方法のことです。

この4WCLはストリングス(ホーンセクション)のボイシングで基本的な考え方になりますのでまず最初にご紹介しておきます。

注意:以下の「メロディ」というのは歌メロのことではありません。ストリングスパートのメロディラインという意味で捉えてください。

ちょっと難しく聞こえますが、その手法は簡単です。
・メロディーがコードトーンの場合、メロディが一番高い音になるようにコードを回転させる。
・メロディーがテンションノートの場合、メロディのすぐ下のコードトーンを省略
てからメロディが一番高い音になるようにコードを回転させる。

コードがCM7の時に考えてみましょう。

メロディーがコードトーンの場合

メロディーがコードトーンの場合は以下のようなボイシングになります。

メロディーがコードトーンの場合、メロディが一番高い音になるようにコードを転回させるだけで大丈夫です。

ピアノで普通にコードを抑えるのと変わらない気がしますが、大事なのは最高音のメロディに対して上から下へ和音を積んでいるということです。

通常はコードというと、ルートから積み上げる方向で考えますからそこが感覚的に違うところですね。

メロディがテンションノートの場合

ではメロディがテンションノートの場合はどうなるでしょうか。

メロディーがテンションノートの場合、メロディのすぐ下のコードトーンを省略してからメロディが一番高い音になるようにコードを転回させる。

ですので、メロディがDの場合はCを省略、Aの場合はGを省略しています。
※メロディがFの場合はアボイドノートなので載せていません。

4WCLの例外的な変則などもあるようですが、基本は以上になります。

ひよ作
ひよ作

ストリングスはここからさらに展開させていきますが、ブラスアレンジの場合は、このまま密集型ボイシングで演奏する場合が多いですね。

コードの連結の基本的な方法

上記の4WCLはストリングスのメロディに合わせて和音をつけていく感じですが、単純に四和音を連結させる方法もご紹介しておきます。

これはピアノなどの鍵盤楽器にも当てはまる基本ルールです。

ポイントは二つです。
・共通するコードトーンは同声部で保留する。
・共通しない音はすぐ下の音に動く

例えばDm7-G7の場合はこうなります。

この方法を続けているとどんどん音程が下がっていくことになってしまいますが、そこは適宜上方向に行ってしまって構わないと思います。

ひよ作
ひよ作

厳密な法則については各自詳しく勉強して、是非私に教えてください汗

ストリングスは基本的にドロップボイシングを使う

ストリングスの場合、基本的にはクローズボイシングは使わず、オープンボイシングを使います。

オープンボイシングには以下の3種類があります。
・上から2番目の音をオクターブ下げるドロップ2
・上から3番目の音をオクターブ下げるドロップ2
・上から2番目の音と4番目の音をオクターブ下げるドロップ2&4

4WCLの項目でご紹介した和音を使ってみてみましょう。
コードはCM7、最高音がメロディです。

ちなみにドロップ2では、最高音と最低音が10度関係になっているとよく響くそうです。(ドロップする前の上2声部が3度音程)

ドロップ3では上2声部が3度音程になっていると効果的です。

以上がストリングスの和音の重ね方になります。

まとめ

以上のようにストリングスの和音の重ね方は、4WCLで和音を作った後にドロップボイシングをするというのが基本になります。

もちろんクローズボイシングのままのアレンジもありますし、4和音じゃなく3和音でも大丈夫です。

ただ今回ご紹介した方法は簡単なコード理論さえ分かっていればすぐ実践出来る上、ストリングスっぽい響きを得られる方法なので、是非実践してみてください。

前回もご紹介しましたが、しっかり勉強したい人には以下の本が非常にオススメです。

対位法と和声学の本ですが、ポピュラー音楽の実用性を重視し、アカデミックすぎる(実用的でない)部分は省略してあるので、わかりやすく実用的な知識を得ることができますよ。

コメント

  1. […] 次回後編では、ストリングスで和音を担当する場合の手法をご紹介しようと思います。 […]

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